2020年2月21日

“1人1台タブレット”と、これまでの板書型授業の融合。 岐阜聖徳学園高等学校が辿り着いた、GIGAスクール構想の一例

導入先:岐阜聖徳学園高等学校
導入製品:ウルトラワイド超短焦点プロジェクター「ワイード」、映写対応サンヤクブルーグレー黒板

目次

  1. GIGAスクール構想(文部科学省) が表すものとは
  2. 岐阜聖徳学園高等学校様のICT活用事例
  3. ワイード導入の目的① 黒板にできるだけ映像を大きく映したい
  4. ワイード導入の目的② クラス全員のタブレット画面を並べて比較したい、一人のタブレット画面を大きく映したい
  5. ワイード導入の目的③ タブレットの画面とPCの画面の切り替えをスムーズに行いたい
  6. ワイード導入の目的④ 板書と映像内への書き込みをシームレスに行いたい
  7. 1人1台タブレットが“使われる”教室を目指して

先日、教育に関するとある施策が発表されました。

GIGAスクール構想(文部科学省)

2023年までに児童生徒1人につき1台タブレットを整備することを目的とした補助事業※

施策に寄せて、“ ICT環境の整備は手段であり目的ではない ”と提言されています。クラス全員が教室でタブレットを使用するという手段を用いて、授業はどう変わるのでしょうか。

1人1台タブレットを持つことで果たせる目的には、主に二つの視点があると考えられます。
例えば、「図画工作の授業で、タブレットを手に動画撮影や編集をしてオリジナルの短編映画をつくる体験」など、生徒個人の活動の充実が一つ。
もう一つは、生徒全員のタブレット画面が一括管理できる利点を生かして、生徒同士の情報共有を高速化すること。

今回は後者の視点に立って、タブレットとプロジェクターの能動的な活用事例をご紹介するとともに、GIGAスクール構想が打ち立てられた必然性と、今と未来の授業の在り方について考えてみたいと思います。

※ 「GIGAスクール構想」詳細 …タブレット整備については、小・中学校を補助対象とする。高等学校は補助対象ではなく、整備する場合は各自治体や各学校の判断による。そのほか、2020年までに高速ネットワーク環境の整備が完了される方針で、小・中学校と高等学校が補助対象。


岐阜聖徳学園高等学校様のICT活用事例

岐阜県の私立学校である岐阜聖徳学園高等学校様(以下、同校)は、約10年前から授業改革の根をはり、能動的に生徒が学べる授業づくりへの転換を計画してきました。母体である岐阜聖徳学園は、岐阜県下で唯一幼稚園から大学院まで一貫した教育体制の整った総合学園で、高等学校生は大学との交流活動なども積極的に実施されています。

2018年にWi-Fiネットワークを完備し、これまでにワイード24台を整備。黒板は映写対応ブルーグレー黒板へ貼り替えを行いました。(黒板サイズ:横4500mm×縦1200mm)

翌年の2019年には、iPadとApple TVを導入。教員と1年生全員が1人1台のiPadを手にしました。生徒のiPadには、授業アプリケーション(Classi、ロイロノート、他)が取り入れられています。

ワイード導入の目的
黒板にできるだけ映像を大きく映したい

ワイードの最大投影サイズで英語の問題を表示。改行が減り、文章の把握がしやすくなった。

黒板サイズ(アスペクト比16:6)で、用意していたMicrosoft PowerPointの資料をパッと表示。従来のアスペクト比 4:3 や 16:9 では表示しきれなかった大きな資料を生徒に見せることができます。

英会話ティーチャーとのビデオ通話(遠隔授業)。大きな画面で、中継先の相手の表情がよく見える。

ワイード導入の目的
クラス全員のタブレット画面を並べて比較したい
一人のタブレット画面を大きく映したい

②-1.グループ活動での調べ学習

1. グループ活動で課題に取り組み、生徒は自身のタブレットに課題の成果を入力・提出します。

2. 先生側のタブレットで生徒のタブレット画面を一覧表示。提出状況を確認しつつ、ワイードでブルーグレー黒板に大きく投影します。

3. 先生側のタブレットで、特定の一人のタブレット画面を選択。クラス全員に共有、解説します。

4. 1~3を繰り返して、意見を交わしながら学習を進めます。

②-2.生徒のプレゼン発表

ワイード導入の目的
タブレットの画面とPCの画面の切り替えをスムーズに行いたい

iPadと、Windows PC(ワイードの最大画面サイズでの表示が可能)を交互に切り替えながら使うことで、授業内容や資料のサイズによって機器を使い分ける運用が可能となりました。接続切り替えをかんたんに行う工夫は以下のとおり。

黒板の近くに設置してある、ICT機器設備用のAVラックにHDMIのスイッチャーを設けています。※
それによりボタン一つで、

  • Apple TV(iPadの画面)
  • Windows PC
  • 外部接続の表示(実物投影機 他)

の3つの映像ソースを瞬時に切り替えることができます。

※ AVラック周辺は弊社のオプションではありません。

また、黒板の上部のスペースには外部スピーカーを設置しているので、英語のリスニングやビデオ通話も何不自由なく行えていました。

毎日使うものなので、使いやすさを追及した機器の選定には工夫と熟考が欠かせません。教室の広さ、黒板の大きさはそのままに、プロジェクターや他の設備がパズルのように教室に組み込まれたことで、タブレット活用のシステムが高いレベルで完成されていました。

ワイード導入の目的
板書と映像内への書き込みをシームレスに行いたい

映像の上に重ねるようにして、チョークで図形を書き込む。
スクリーンではできなかったことが、ブルーグレー黒板では実現できる。
白文字にすることで、黒板でも文字が読みやすい。
iPadで撮影した教科書を投影。映像の両側にチョークで解説を書き込む。

生徒の本質的な理解をはぐくむようにして授業は進んでいくのですが、ICT機器を取り入れている事により、生徒にとって「与えられる情報」と「考える活動」のバランスが絶妙に良く感じられます。

また、導入後の使用イメージが鮮明だったからこそ、「本当に授業で行うこと」を実現するためのICT機器があるべき場所に納まっており、導入設備の吟味にかなりの時間を割いて頂いたのだろうと気づかされました。

1人1台タブレットが“使われる”教室を目指して

文部科学省が掲げている「GIGAスクール構想」において“ これまでの我が国の 150 年に及ぶ教育実践の蓄積の上に、最先端の ICT 教育を取り入れる ” ――こう提言されていることからも、本構想は従来のトーク&チョーク(先生の説明と板書)の形での効果を認めたうえで、さらなる効率化を目指す授業の在り方を求めているのだと分かります。

例えば、授業中に先生から指名されて、自分のノートに書いた考えを黒板に書き写す時間。この数分間は、当たり前のように今まで学校に存在してきました。しかし、タブレットやプロジェクターという物の「手段」を利用すればこの時間は省略できます。ここに新たな学習の時間を生み出す余地があるのです。

同校が、GIGAスクール構想が発表されるよりも前に、GIGAスクール構想の考えをいち早く取り入れていたこと。これは偶然ではないのでしょう。先生のトークも板書の時間も残したままで、今、確実に授業が進歩していることを実感しました。

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製品詳細現行モデル名称:ウルトラワイド超短焦点プロジェクター「ワイード プラス」
型番:SP-UW4000
・機能と特徴ページ
・地域別の導入実績ページ
カタログ・資料全国の小中学校・高等学校を中心に6700台以上導入。黒板いっぱいに映せるウルトラワイドなプロジェクター「ワイード」のカタログやお役立ち資料はこちら
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ワイードは、黒板サイズ(アスペクト比16:6)で使うことを想定しているため、大型提示装置としての役割に加えて、黒板サイズで気軽に教材作成できるツールも備えています。

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