#8 大型提示装置・電子黒板の「複製」「拡張」どっち派?Chromebookとワイードの相性

23年度が始まりました。新学期ですね。皆様いかがお過ごしでしょうか。
春になりました。気持ちを新たに新年度STARTです。

GIGAスクール構想の当初の計画では、22年度まで「3クラスに1クラス分」の学習者端末の整備を目指すと挙げられていました。
それが今では、公立の「児童生徒に1人1台整備」がすでに終わっている状態(ほぼ)。すごい。

学習者用・教師用のタブレット端末とネットワークが整備されたのと合わせて、必要性があがったものがあります。
それは、ディスプレイやプロジェクター、電子黒板などの『提示装置』の存在です。
文教の分野では、ケーブル等で繋ぎコンテンツを大きく投影できる装置のことを、「大型提示装置」といったりもします。

大型提示装置は、シンプルにケーブルまたは無線で接続するだけで、映像を大きく映すことができます。
提示装置を教室の前方に設置することで、子どもたちの視線や姿勢を前に集中させる役割も担っています。
従来の紙媒体の教材はもちろん、写真、動画、音声などさまざまな内容を映すことで、黒板やチョークの役割を補う道具としても役立ち、子どもたちに分かりやすく伝えることができます。

ICT教育やSTEAM教育など、様々な「〇〇教育」が注目されています。
しかし先生方が、授業の中で子どもたちと対話し、内容の理解をさせまた定着させることが大切であり、これはアナログな授業でもデジタルを取り入れた授業でもずっと変わりません。
大型提示装置を使うことは決して「特別なこと」ではなく、授業をおこなうための教室にある道具であり手段のひとつになってきました。

今回は、提示装置を活用するときに知っておきたい、「複製(ミラーリング)」「拡張」について触れていきたいと思います。

まずは提示装置でパソコンやタブレット端末を投影したいとき、「HDMIケーブル」で繋いでください。逆台形のような形の端子。

PCのインターフェース_HDMI
パソコン側面のインターフェイス。こちらのパソコンはHDMIあります。

HDMIケーブルは、端末の「映像と音声」の情報を提示装置に送ります。
端末側のインターフェースにHDMIの端子があればよいのですが、最近は備えられていない機種も増えてきました。
そんな時には変換アダプターで解決です。
端子を持っていなくても変換アダプターを介すことで、別の端子に変身することができます。

Mini DisplayPort-HDMIの変換アダプター
こちらはSurfaceを使用している時に使っていた、Mini DisplayPort-HDMIの変換アダプター

変換アダプターもいろんな種類があります。
お使いの端末の側面のインターフェースをご確認いただき、必要な端子に変換できるアダプターをお選びください。

提示装置と端末をHDMIケーブルで繋ぎました。
端末の電源を入れると、モニター側にも端末と同じ映像が映っています。

いわゆるこの状態が、「複製(ミラーリング)」です。

モニターに映像を複製(ミラーリング)
提示装置のモニターと端末のWindowsパソコン、どちらにも同じれっさーちゃんの画像が。

「複製」は、
端末の映像と同じ内容の映像を提示装置にも映している状態
のことを指します。
簡単にいえばシンクロでしょうか?

シンクロ状態なので、マウスでくるくるしながらここが〜な説明も、ペン等で書き込みながらここが〜な説明も、リアルタイムで伝えることができます。

複製の時は、基本的に端末の解像度と提示装置の解像度は同じになります。
解像度については、別の記事で解説しているので合わせてご覧ください。
#6 アスペクト比?解像度?「16:6」比の変更に失敗しない2つの方法

次は、「拡張」についてです。マルチディスプレイの真骨頂です。
「拡張」を利用した作業に慣れてしまうと、もうシングルディスプレイには戻れない…かも。

「拡張」は、
画面同士は離れてそれぞれ存在してますが、ひと繋ぎの大きな画面になっている状態
のことを指します。

モニターに映像を拡張
提示装置のモニターにはれっさーちゃんの画像を、端末のWindowsパソコンにはGoogleを。
ひと繋ぎの画面の中に、2つのコンテンツを提示できています。

ウィンドウもマウスも、どちらの画面にも自由に行き来することができます。
開いたり動いたりできる空間が広がったイメージです。私は画面の向こう側の世界と呼んでいます。

複数のウィンドウを重ねて開くと行ったり来たりで作業が大変ですが、拡張モードにしておけば、おのおの大画面でいくつもウィンドウを開くことができ、なにか資料を見ながらの入力作業もらくらくです。
また、提示装置側に全体で見せたい資料を映して、手元の端末側で別の作業をするといったことも可能です。

「拡張」モードにするには、まずデスクトップ上右クリック
「ディスプレイ設定」を選んでください。

ディスプレイ設定
こちらのメニューはWindows11です。

端末と提示装置をHDMIケーブルと繋いでいる状態だと、「マルチディスプレイ」が出てきます。

ディスプレイ設定で複製か拡張を選ぶ1
ケーブルを繋いでいるのにこちらのメニューが出ない場合は、もう一度差してみてください

初めて繋いだ組み合わせの時は、モノによっては検出をしなければいけないときがあるのでお忘れなく。

「マルチディスプレイ」の少々右上に、提示装置のモードを選ぶ欄があるので、そこから「表示画面を拡張する」を選んでください。

ディスプレイ設定で複製か拡張を選ぶ2
メインのみ、セカンドディスプレイのみもできたりします。

提示装置側にひと繋ぎの大きな画面の続きが現れます。
これでウィンドウもマウスも自由に行き来が可能になります。

もっと拡張を使いやすくするためにおすすめの設定があります。
設定画面に戻ります。大きく「1」「2」と表示があります。

ディスプレイ設定で複製か拡張を選ぶ3
この設定、侮ってはいけません。

これは、メインのディスプレイとサブのディスプレイを表してまして、ここを少々いじります。
この「1」「2」を、実際の端末と提示装置の位置関係と同じになるように設定を変更します。
ここを変えてあげると、ウィンドウやマウスが迷子や突っかかることなくスムーズに移動してくれるようになります。

端末と提示装置の位置関係に気を付ける
(これはイメージ図です。)

WindowsOSの場合は、マルチディスプレイ用ショートカットキーが存在します。
【Windows】キー+【P】です。

メインのディスプレイ(ここでは端末)から、ぷりんっと生まれるイメージがあり、ぷりんっの「P」で覚えています。ぷるんっでも問題ありません。
他に分かりやすい覚え方があったら教えてください。

ショートカットキーの方のメニューの方が図も一緒に出てくるので、こちらの方が画面同士のイメージが分かりやすいかもしれません。

複製か拡張かを選ぶWindowsOSのショートカット
左側の図、分かりやすくて好きです。

拡張の時は、端末と提示装置の解像度それぞれ個別に設定することができます。
これはモノによって設定方法が変わるので、お使いの機器をご確認ください。

ここまでが、提示装置の「複製(ミラーリング)」「拡張」についてでした。

「複製」と「拡張」が分かったところで、ひとつこの話をしておきたいと思います。
よく聞かれる質問のトップにくるであろうこのお話。

「ワイードでChromebookは使えますか?」

ええ!使えます!
しかし、Chromebook本体の仕様の関係で、少々気を付けるポイントがあるのでご紹介します。
ワイードでChromebookを使いたい場合は、複製と拡張の使い分けがミソになってきます。

まず、Chromebook有線接続(HDMIケーブル)で使う場合です。

この時は基本的に「拡張」モードでお使いください。
Chromebookの仕様で、端末の解像度を変更する概念がありません(拡大縮小はあります!)。
そのため、端末側であるChromebookをWindowsのように、ワイードの解像度である「1920×720」に変更することができません。

ですが、拡張モードの場合は、端末側はChromebookそもそもの解像度1920×1080(比でいうと、16:9)のまま、ワイード側をウルトラワイドの16:6比の映像でお使いいただくことが可能です。

ワイードのデジタルスライドを合わせて使いたいときには、リモコンの【アスペクト】ボタン映像の比を変えてからスライドしてください。

Chomebookとワイードを有線接続する方法1
お手元マニュアル(Chromebook Ver)を一部抜粋。その1

ちょっと便利なChromebookのショートカットキーをご紹介します。
【Alt】キー+【全画面モード】キー を押してみてください。
ウィンドウをマウスで移動させることなく、Chromebookとワイードの映像を入れ替えることができます。

Chomebookとワイードを有線接続する方法2_拡張モード

これが。【Alt】キー+【全画面モード】キー、で、こう。

Chomebookとワイードを有線接続する方法3_拡張モード入れ替え
やらせではありません。

次にChromebook無線接続で使う場合です。

Chromebookの無線接続は、「Chromecast」を合わせてご用意ください。
様々な無線投影機器がありますが、Chromebookの時はChromecastが1番相性がよいです。

Chromcast
自宅で使っている「Chromecast」です。バージョンまでは分からず。

この時は基本的に「複製(ミラーリング)」モードでお使いください。
無線接続時の複製では、端末そのままの解像度である「1920×1080」でワイードもお使いいただくことになります。
こちらであれば映像の比をリモコンで変えることなく、デジタルスライドおこなうことができます。

Chomebookとワイードを無線接続する方法
お手元マニュアル(Chromebook Ver)を一部抜粋。その2

では!Chromebookの場合、
『有線と無線のどちらで接続できるように整備すればよいの!!』
問題が出てきますよね。

お答えします。
ワイードは、HDMIが2系統分接続が可能なので、ひとつを有線接続できるように、もうひとつを無線接続できるように整備することを弊社では推奨しております。

有線無線の両パターンで整備することで、複製と拡張のどちらにも対応できますし、Chromebookに限らず別端末の複数使いにも対応することができます。

以上で、「複製(ミラーリング)」「拡張」のお話と、よく質問で上がる「Chromebookとワイード」についてでした。

今回のChromebookの例は推奨ではありますが、必ずこのパターンにしなければならないということではありません。
弊社の営業がお客様の環境や端末の整備状況に合わせて、都度提案をさせていただいております。
安心してご相談いただけますと嬉しい限りです。

今では、学校様によって導入されている機器たちが本当に様々です。
Chromebookも登場からあっという間に選択肢のひとつになっていきました。
2,3年前までは、どこもWindows端末が一般的だったので、整備もそこまで難しく考える必要がなかったです。
ワイードも新しく導入されるもののひとつになるわけですが、導入していただいたあかつきには、まずは使ってみていただきたく、操作説明会を実施しております。

今回のChromebookの推奨例も、導入時にChromebookご利用の学校様には操作説明会にてお伝えしております。
操作説明会もデモンストレーションと同様に、学校様の環境整備状況に合わせてご説明していますので、操作説明会はぜひ導入時にセットで調整していただけますと幸いです。
おすすめは導入直後ですが、学校様によっては長期休みに研修の名目でご依頼いただくこともあります。

年度末の異動で、ワイード導入当初とだいぶメンバーが変わっている…なんてこともあるのではないでしょうか?
新しく仲間になった先生方にも!ワイードの良さを知ってもらいたいです。
導入から時間が経っていても実施可能ですので、ぜひご相談ください!

操作説明会のご相談は下記より承っております。
お気兼ねなくご連絡ください! 
ワイードを購入されているユーザー様向け 操作説明会・勉強会  お問い合わせ

それでは、ご連絡お待ちしております!

サカワ社員による、WEB操作説明会も公開しております!
各機能を実際に黒板とワイードを使って説明しているのでぜひご覧ください!

【ワイードユーザー様対象】ワイード操作説明会2023!これを見れば、ICT授業がもっと楽しくなります!

ワイードのさらに詳細を知りたいよ!といった方向けにワイードの特徴と導入効果をまとめたお役立ち資料ができました。
ぜひご覧ください。

デジタルとアナログを繋ぐウルトラワイードなプロジェクター『ワイードの特徴と導入効果』

【参考資料】
・教育のICT化に向けた環境整備5か年計画(2018~2022年度)
文部科学省https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/04/12/1402839_1_1.pdf

・先生と教育行政のためのICT教育環境整備ハンドブック2022
一般社団法人日本教育情報化振興会
https://www.japet.or.jp/wp-content/uploads/2022/06/ICThandbook2022_print_s.pdf

この記事を書いたひと

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猪狩

20XX年某日、流星のごとく現れたサカワ系ブロガー。 どうも。株式会社サカワ ICT事業部 営業課の猪狩です。行動戦隊ハイスピードマン。担当カラーはプリンイエロー。担当カラーは独断と偏見で決めました。好きな色は赤です。トマトレッドになりたかったのですが、赤はリーダーの色なので悔しいですが弊社のKB部長に譲ります。 好きな食べ物はチャーハンとたまごです。ゲームも好きです。モンハンとゼルダとポケモンをやります。ライブに行くのも好きです。ひとりで遠征します。BLUE ENCOUNTとcinema staffのライブによく出没します。 コロナ禍突入と同時にサカワに入社しました。中途です。お客様先でワイードご提案に始まり、導入後までをサポートをさせていただいております。最近はいろんなことに挑戦させてもらってありがたい限りです。 サカワ入社前は教員をしておりました。小学校教諭、中学校教諭、高等学校教諭の教員免許状(中高専門科目は数学)を取得しています。