展示会への出展は本当にメリットがあるのか。ノウハウを公開

創業百年黒板屋四代目の奮闘記 #8

こんにちは!
今回は弊社が10年以上出展している展示会への出展で体験した成功と失敗を元に
「展示会って本当に効果があるの?」「どうすれば効果が出るの?」
というに疑問に切り込んでいければと思います。
展示会と一口に言っても、規模の大小がありますが、今回は大きめの展示会(ビックサイトや幕張メッセなど)で開催されるものへの出展、その中で一番力を入れてきた教育ITソリューションEXPO(EDIX)という展示会での経験を元にしてお話をしていきたいと思います。
あくまで弊社が経験した中での結論となりますので、お手柔らかにご覧くだされば幸いです。

展示会の出展を検討するに際に、まず一番の懸念事項が費用のことだと思います。
小間代と装飾代、機材の準備や人件費などを考慮した上で、費用対効果が見込めるのか、というところがご担当者であれば悩まれることでしょう。
単純に言えば、

展示会での販促活動から得られた売上(利益) > 出展費用

にならない限り、簡単にGOは出せないと思います。
しかし出展してみないとやってみないと分からない部分もあり、どうしようかと思い悩みますよね。
小間の大きさや場所にもよりますが、小間代だけでも数百万円かかりますし、その上に装飾代も派手にやろうと思うと合計で1000万円以上掛かることがざらです。
この数字だけ見ると二の足を踏んでしまいますよね。僕も毎回申し込むときに、うちの規模でこんなお金掛けていいのかなぁとふと不安に襲われることが正直あります。
しかし、最初にお伝えしたようにかれこれ2010年の初出展から足掛け今年で12年、毎年出展を続けています。結論から言うと、ポイントさえしっかり押さえておけば、メリットがあり、大きな効果があるということです。

展示会の出展の目的から一度整理してみます。目的は大きく分けて3つです。

【目的①】製品やサービスを購入して頂けるお客様をキャッチすること。
【目的②】会社名・製品名を広め、業界の中の知名度を上げること。
【目的➂】新製品や新たなチャレンジで会社のスタンスや挑戦を見てもらうこと。

一つ一つ、簡単にポイントを説明していきたいと思います。

【目的①】製品やサービスを購入して頂けるお客様をキャッチすること。

会場ではデモが出来るよう製品に触れてもらう展示ブースを設ける企業が多いと思いますので、
その場で製品やサービスを見てもらい、製品を気に入ってもらうのが言わずもがなですが、大きな目的の一つです。
外での営業活動の場合は、アポイントを取って製品を持っていくか、もしくはご来社頂き1件1件お客様に製品説明をする必要がありますが、展示会に出展していればお客様が立ち寄ってくださるので、営業活動をせずとも、その場で実物を見てもらうことができるまたとない機会になります。

ここでのポイントは、お客様が来ていただけるブースを作れるかどうかに掛かっています。
重要なのは、小間位置と入りやすいブース設計になっているかどうかです。

目当ての展示会場を一周してみると、人通りが活発な場所と全く人気のない場所がはっきりと分かれます。これは会場の出入り口の配置による来場者の動線が大きく影響しています。また会場内でセミナーを開催していればその動線もしっかりと確認し、出来る限り人通りが多い場所を選ぶ必要があります。弊社では、ある年に来場者の動線を読み違えたことがあり、その時は期待してたような効果が得られませんでした。人が来ないところに出展しては意味がない、というは当たり前のことですが、改めて基本中の基本として抑えておくべきです。
なので、会期ギリギリになって申し込むと既に人気のエリアは埋まっていますので、出展検討する際はできる限り早めにブースの位置だけでも良いところを抑えておくべきです。(検討している展示会場で他の催し物があれば見学しにいくとよいと思います。もちろん小間の分け方は展示会ごとに違いますが、人の流れの感覚は掴めると思います。また展示会を取り仕切っている担当者の方に動線のことはしっかりと聞いてください。人が絶対来るところがいい!という要望を上げれば空きがあれば、誠実に答えてくれると思います。)

【目的②】会社名・製品名を広め、業界の中の知名度を上げること。

皆さん、スーパーなどで商品を購入する際に手に取りやすいものは、どんな商品でしょうか?
よく名前を聞くものだったり、CMや広告など見たことがあるものを購入しがちですよね。
心理的に初めて見るものより慣れ親しんだものの方が購入しやすいのは当然だと思います。
一つの製品で大規模な広告を打つのは簡単ではないですが、展示会に出展するということは会社の広告を出しているようなものだとも捉えることが出来ます。
売れていく製品、人気のある会社はやはり地道に広報活動をしているケースがほとんどです。
毎年業界の方が集まる展示会に出展し続けることでブランドとしての信頼や認知度に繋がっていきます。弊社も規模としては小さいですが、業界の中では製品や会社名が少し知られていて、規模以上の認知度を獲得できていると自負しています。
逆に言えば、単発で1年だけ出展しても効果が得られない可能性が高いということも言えます。
出展料も高いし、そこまで効果が得られなかったので、もう出展しないという話はよく聞きますが、
継続は力なり、ということが効いてくるのが展示会ではないかなと思うので、ブランド認知の視点も考慮の上、望まれるといいと思います。

この場合のポイントは、
社名と製品名(特徴も出来れば)のサインの装飾は費用を掛けて魅せる

ということです。
社名と製品名は最低でもしっかりと打ち出さないと広告の効果が見込めないので、ある程度思い切って費用を掛けつつ、しかし装飾代が全体としては嵩ないようにブースの中の作りは割とシンプルにしてもよいと思います。費用がいくらでも出せる企業様はどちらも派手にしてもいいですが、結局来場される方は製品を見に来ているので、ブース内の装飾が派手であろうがなかろうがあまり結果的には関係ないことが多いです。社名をしっかり打ち出し、来場された方が製品に触れやすく入りやすいデザイン一番人を集めるはずです。人がブースに溜まってくるとその人だかりが人を呼ぶことになりますので、ブース内の派手さにはこだわる必要はない!というのが私たちの経験から学んだ考えです。

展示会EDIX_サカワブース

このアーチはお金を掛けただけで、入りにくいし、お金は余計かかるし失敗だったとおもいますw
ブースを企画するときは面白いので、やってる方はテンション上がるのですが、結局は来た人が入りやすいかどうかが一番の判断材料ですね。

【目的➂】新製品や新たなチャレンジを展示し、会社のスタンスや挑戦を見てもらうこと。

最後3つ目の目的ですが、これを意外とやってないところが多いと思います。

展示会に来る方は毎年参加される方も多く、目の肥えた方が沢山いらっしゃいます。
いつも見る同じような製品や既に知っている製品ばかりを並べていてはブースに立ち寄ってくれません。展示会とはそもそも新しいものを世の中に問うていく場所であるべきだと思いますし、そう期待を持ってくる人が多いはずですが、売上を上げるためだけの市場のような感覚でいる会社さんが多いのではないのでしょうか。
もちろん【目的①】製品やサービスを購入して頂けるお客様をキャッチすること。で挙げた通り、製品を買ってくれる方を捕まえる場なのは間違いありませんが、毎年同じような製品を出していてブースには人が集まりにくいでしょう。去年ブースに立ち寄って購入しなかった人が、今年は購入する、ということは考えに行くので、分かりやすく機能がアップデートした製品やサービスの展示は必須です。
また展示側のスタッフも毎年同じものを説明していると飽きてしまうので、展示会の度に何か新しい製品や機能を説明したい!ということを求めているはずです。
出来れば、この新製品は今までに業界では見たことがない分かりやすくチャレンジングな方がよいと思います。実際に製品になっていなくても、参考出展でも良いので技術的に業界に一石を投じたい!というような挑戦的なものが置かれると非常に効果的です。
なぜなら、そのチャレンジしている姿勢や企業としてのスタンスにお客様は感動し、興奮し、その会社への信頼をより増してくれるからです。

かくいう私たちも毎年必ず何か新しいものを1つは出展するように心がけています。
2014年 未来の黒板プロジェクト 企画展示
2015年 ハイブリット黒板アプリ「Kocri」 発表
2016年 16:6プロジェクター 「ワイード」 発表
2017年 伝説のポンジュース蛇口 展示 (製品ではないけどw)
2018年 授業AIアシスタント「Josyu」 参考出展
2019年 板書撮影システム 参考出展
2020年 「ワイード プラス+」 発表
2021年 「Kocri for Cloud」発表 「ワイードタッチ」参考出展

新製品がたまたま出ているのではなくて、展示会に合わせて何か新しいものを作っているのです!
(振り返って見ると毎年まぁここまでよくやってきたましたね。笑)

経験談ですが、新しい展示をすると現製品の展示が薄まってしまうのではないかという懸念が出ると思うのですが、これが不思議なことで逆に今の製品の売れ行きが上昇していく傾向があります。
おそらくですが、未来を見せてくれるチャレンジングな会社には、会社としての全体の信頼感が増していて、イメージが自然と良い方向に上がっているため、現製品への信頼も上がるのではないかという予想です。この会社は面白いな、こういう会社がやっているこの製品もきっといいものなんだろうな、という視点が追加されるのではと思います。もちろん、ブースに立っているスタッフも新しい製品や取り組みを紹介できるので楽しくモチベーション高く展示会をやり通せるということにも大きく起因していると思います。

よって最後のポイントは、
必ず新しいチャレンジをブースの展示に入れて、未来を魅せること

となります。割合はブースの1割か2割程度で十分かと思います!
以上が僕らが経験した中のノウハウの一部でした。ぜひご参考になればと思います。

さて、ここまでご説明して思ったのですが、なかなかに自分で自分たちのハードルを上げてしまっていることに気づきました 笑
しかし、その期待を超えるようなブースを用意して、今年も教育ITソリューションEXPO(通称EDIX)に以下の日程で参加します!

  • 東京EDIX 2022/5/11(水)~13(金) 東京ビッグサイト(お知らせはこちら
  • 関西EDIX 2022/6/15(水)~17(金) インテックス大阪

今年は装飾やユニフォームも今までのデザインから一新し、現製品のアップデートに加え、また黒板業界に一つ新風を巻き起こす可能性のあるものを展示します!ちらっとブースの様子を貼ります。

東京EDIX2022_サカワブース

私たちサカワはこれからも展示会を一つの大きなPRの機会として捉え、皆様に喜んでいただけるブースを用意しておりますので、乞うご期待くださいませ!いつか伝説を残します!
以上、4月のお話でした。有難うございました。

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この記事を書いたひと

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坂和 寿忠

株式会社サカワ4代目社長の坂和寿忠(トシタダ)です。愛媛県出身、1986年生まれ。大正時代に黒板製造業でスタートした弊社は創業100年を超え、教育分野という土俵はそのままに、今ではアプリを制作し、学校用プロジェクター「ワイード」を全国展開しています(今もグングン導入台数増加中)。 “日本一面白い黒板屋さんになる“ために面白いアイデアや仲間をいつも探しています。「こんな物を一緒に作れないですか?」「こういうこと出来ないですか?」なんていう面白いお話があればいつでも大歓迎です!FacebookやTwitterからメッセージお待ちしております。では、また!

♪サカワのテーマソング「時代を超えて」