鶴岡市立朝暘第五小学校(山形県)は、2024年度に創立150周年を迎えた歴史の長い学校です。 2024年8月には新校舎が完成し、ICT環境を大幅に拡充しました。その際、サカワの製品「映写対応UD曲面ホワイトボード」とウルトラワイドプロジェクター型電子黒板「ワイード」も導入されています。
今回は、鶴岡市立朝暘第五小学校を訪問し、教育現場でICTがどのように活用されているのかを取材しました。

【基本情報】
児童数:358人
学級数:各学年2クラス+特別支援学級5クラス
学級の人数:23~31人
(令和7年度時点)
【ICT機器・サービス】
教員:1人1台の授業・校務兼用コンバーチブル型端末(Windows)
児童:1人1台の学習用デタッチャブル型端末(Windows)
※R8.4からコンバーチブル型端末(Windows)に更新
教室:映写対応UD曲面ホワイトボード、ウルトラワイドプロジェクター型電子黒板「ワイード」
サービス:みらいスクールステーション、SKYMENU Cloud
【取材にご協力いただいた方々】
鶴岡市立朝暘第五小学校 校長 岡部貞二さん
鶴岡市立朝暘第五小学校 ICT担当 佐藤慶さん
鶴岡市教育委員会 教育長 成澤和則さん
鶴岡市教育委員会学校教育課 課長補佐(兼)ICT推進主査 三浦昇さん
鶴岡市教育委員会学校教育課 学事保健係主事(兼)ICT推進係主事 志田大樹さん(当時)
キューブワン情報株式会社 木村博之さん
新校舎建設で全教室にUDホワイトボードとプロジェクターを完備
鶴岡市立朝暘第五小学校(以下、朝暘第五小)は、2024年に新校舎を建設し、ウルトラワイドプロジェクター型電子黒板「ワイード」を全教室に導入しました。
ワイードには、大きく3つの特徴があります。
(1)130インチの「ウルトラワイド画面」
(2)投影画面を左右にスライドさせる「デジタルスライド機能」
(3)2つの機器を隣同士で並べて表示できる「2画面機能」
ワイード最大の利点は、大型ディスプレイよりも遥かに大きな画面を映せることです。多くの学校ではパソコン画面を映し出す機器として大型ディスプレイを設置していますが、大型ディスプレイのサイズは平均65〜75インチ、高価なものでも100インチほどが限度です。

朝暘第五小でも以前は大型ディスプレイを使っていましたが、教室の後ろの席に座る児童には小さくて見えづらいという問題がありました。
そこで導入されたのが、サカワのワイードです。ワイードは110〜130インチのウルトラワイド画面であり、アスペクト比16:6で黒板いっぱいに画面を映し出すことができます。ワイードの焦点距離はわずか70センチメートルで、ホワイトボードから1メートル以内に設置することができます。そのため、先生が動きながら授業を行っても影が映りにくく、児童の集中力をそぐ要素が軽減されています。

ワイードとあわせて設置されたのが、アップダウン式のUD曲面ホワイトボードです。ワイードによる映写画面がクリアに映し出され、照明をつけたままでも授業を進めることができます。
朝暘第五小では幅3.6〜4.5メートルという幅広のホワイトボードが取り付けられました。ワイードをフル画面で映写しても、なお左右に1メートルほどのスペースが空くため、板書や大判用紙の貼り付けなどで利用できる余地があります。
基本的にはスライドや動画などデジタル画面の映写とタッチペンを使用し、児童の発言のメモや回答への添削にはホワイトボードとマーカーを併用するなど、アナログも生かした複合的な授業が可能です。

大画面+4500ルーメン+多機能なプロジェクターは「唯一無二の選択」
全教室にUDホワイトボードを設置した背景として、「プロジェクターの映写画面を見やすくすることに加えて、チョークの粉の問題もあった」と、鶴岡市教育委員会学校教育課長補佐の三浦昇さんは語ります。
「GIGAスクール構想の実施とともに、朝暘第五小でも2021年から授業でタブレットが使われるようになりました。一方で、先生方の端末がチョークの粉で真っ白になってしまい、機器内部に入って故障するのではないかとずっと気になっていました。また、先生の手がチョークで汚れないという利点も考慮して、ホワイトボードに差し替えることを決めました」。

また、新しく学校を建て直す計画に合わせて、導入が予定されていた教育ICTサービス「みらいスクールステーション」との組み合わせで活用の幅が広がりそうな機器も探していました。
「たとえ今は新しい機器の使い方の発想がなくとも、物があることによって、今後いろいろな活用方法が思いつく可能性があるはずだと考えました。そのための用意として、多機能なプロジェクターの導入をしたいと意見を申し上げました」(三浦課長補佐)
同校のシステム導入・管理をサポートする会社「キューブワン情報」に、三浦課長補佐ら市のICT担当部門が意見を伝えたところ、同社の担当者・木村博之さんがワイードとUDホワイトボードの導入を提案したといいます。
「三浦さんからお聞きした課題をすべてクリアできると考えたのが、ワイードとUDホワイトボードだったのです。特に、ワイードほど広く映し出すことができ、かつ多機能なプロジェクターは他社にはなく、唯一無二の選択肢としてサカワさんの製品を提案させていただきました」(木村さん)

ワイードは画面を大きく映し出すだけではなく、4500ルーメンという30人規模の中会議室で使用できる明るさを持ちます。実際に教室で使用している様子を見ると、照明を消さなくてもホワイトボードの画面をはっきりと視認することができました。
ある6年生の児童は、「特に理科の授業で動画を見る時に、すごく見やすくなったと思います。それに、ホワイトボードになってチョークの粉がなくなったので、掃除がとても楽になりました」と、嬉しそうに話してくれました。

他社サービスとの連携で、タッチペンの無線接続が可能に
朝暘第五小では、ワイードと「みらいスクールステーション」を組み合わせて使用しています。みらいスクールが提供する教材が使える利点に加えて、ワイードのタッチペン機能が有効活用できるためです。
従来、ワイードでタッチペンを使用するには、映像用(HDMI)とタッチペン用(USB)の2本の有線接続が必要です。しかし朝暘第五小では、パソコンとみらいスクールをWi-Fiでつなぐことにより、タッチ操作も含めてタッチペンを無線で利用できるようにしています。

現在、朝暘第五小ではタッチペンで授業する先生がほとんどだといいます。タッチペンでは部分消去はもちろん、全消去が即座にできるため、マーカーで書いたり消したりするよりも板書の時間が短縮されます。
さらに、タッチペンで記入をした画面は「カメラマーク」で簡単にスクリーンショットとして保存できる利点もあります。授業が1時間で終わらなかった場合でも、次の授業ですぐに前回の内容を画像として呼び出すことで、授業のつながりをスムーズにし、児童も振り返りがしやすくなりました。
また、タッチペンはパソコンのマウスとしての役割も果たし、画面を見ながらの直感的な操作を可能にしています。「ワイードの導入に当たり、この機能は非常に役立った」と岡部校長は語ります。「タッチペンによるタッチパネルの機能は、われわれのようなICTが苦手な年代でも操作方法がわかりやすく、使い慣れるのに大変便利でした」。

4つのツールを独自に組み合わせて授業を始める先生も
中には、ワイードを活用してさらに高度な授業を展開する先生もいました。朝暘第五小のICT担当である佐藤慶先生は、ワイード、みらいスクール、SKYMENU Cloud、Padletの4つのツールを複合的に組み合わせて授業に取り入れています。
Padletとは、Webブラウザで使えるオンライン掲示板アプリです。テキストだけではなく、画像や動画、手書きの文字などの投稿・共有を直感的に行えるのが特徴です。佐藤先生は、このPadletを独自に授業に取り入れているようです。

例えば、授業の前半では、事前に作成したスライドを、PC端末からワイードでUDホワイトボードに映し、みらいスクールとの連携でタッチペンを用いて解説を進めます。授業後半に入ると、SKYMENU Cloudの発表ノートで児童に課題を与え、リアルタイムに画面共有される児童の課題提出をその場でスクリーンショットし、Padletのボードに張り付けて、ワイードで映し出します。
本来であれば、児童の提出物を画面共有するにはファイルのアップロードが必要ですが、この手順をPadletでスキップすることで、児童の思考を途切れさせずに学習効率を向上させています。
佐藤先生の教室では板書の時間が少なく、ワイードから映写されるスライドがどんどんと展開していき、非常にスピード感のある授業が展開されていました。板書する時間が短縮されるほど、児童たちに考えさせたり、児童同士で対話させたりする時間が長く取れるようになります。そのため授業の展開が速くても、児童たち全員が授業への集中力を持続させ、クラスのあちこちから楽しそうに発言が飛び交っていました。

導入から1~2カ月で大半の先生がタッチペンに移行。授業の準備時間も大幅減
UDホワイトボードやワイードを導入した際、先生方にその使用方法についての研修が行われました。
まずはホワイトボードを用いてのNHK for Schoolの映像投影や、PC画面のミラーリングといった基本的な機能の使い方を学ぶ3日間の集中的な研修でした。その後さらに1カ月間、キューブワン情報・木村さんが職員室に常駐し、実際に授業を見ながら先生方の不安解消や操作サポートを行いました。
「当初はゼロからのスタートで、戸惑いや心配もあったようですが、徐々に使いこなす先生が増えていきました」と、岡部校長は導入当時の様子を語ります。初めのうちはホワイトボードにマーカーで書くアナログな使用方法だったのが、だんだんとタッチペンを使うようになり、1〜2カ月程度でどの先生もワイードを使いこなせるようになりました。
「子どもたちのほうが興味深く機器を見ているので、早く覚えてしまうのですね。当初は、先生のほうが子どもたちに教わりながら授業を進めている風景も見られました(笑)。子どもたちもICTツールに触れる機会が増えたので、黒板を使っていた時よりも集中力は上がったと思います」(岡部校長)

その他にも、ICT環境の整備が整ったことで、以下のような声が先生方から聞こえてきたそうです。
「ワイードの大画面のおかげで、児童の作業状況が一斉に共有できるようになり、授業の集中力が向上しました」
「例えば『今日のめあて』など、これまで大判の用紙を使っていた掲示物が、プロジェクターで大きく映して完結できるようになったので、事前準備が楽になりました」
「みらいスクールで時間設定をしておけば、提出物や翌日の持ち物を放課後に自動で投影したり、朝の出勤前に今日の予定を映し出したりできます。わざわざ教室に足を運ぶ必要がなくなり、負担がだいぶ軽減されました」
パソコン端末といった機器や、デジタル教材などのサービスは以前から導入されていましたが、従来のテレビモニターではサイズが小さかったために活用しきれていませんでした。それが、ワイードの大きな画面で教室のどこからでも見やすくしたことで、ICT機器・サービスの機能が格段に生かされるようになりました。

ICTツールは子どもたちの主体的な学習意欲を引き出す
朝暘第五小のICT環境は、 今後、鶴岡市の学校におけるICT環境のスタンダードになっていくだろうと三浦課長補佐はいいます。「既存の校舎への取り付けは、プロジェクターやホワイトボードを取り付けるための補強工事が必要になるなど難しい面があるかもしれませんが、これから新しく校舎を作る計画がある学校においては設計段階から十分な計画ができるので、ぜひ導入したいと思っています。ワイードとUDホワイトボードの組み合わせは、これから導入を検討している自治体さんにもお勧めできます。」。
着々とICT教育を進めている朝暘第五小ですが、理想の教育とICTの役割についてうかがうと、岡部校長は次のように答えました。
「私が考える理想の教育は、子どもたちが『やらされる勉強』ではなく、『自分から学びたいと感じる主体的な学習』を用意することです。楽しい学びを作る上で、ワイードのようなツールは非常に有効です。動画を映しだしたり、タブレットに連動したりすることで、子どもたちの興味・関心を高められます。新しい機器やサービス使うには、先生方にも最低限の研修は必須ですが、せっかくならわれわれも楽しみながら授業づくりをしていけたらと思っています」。

ICT環境の整備が進むにつれて、教室での授業風景が大きく変わりつつあります。そうした新しい授業を作っていくのは、ツールを活用する先生方です。先生方の創造性を刺激するツールの一つとして、ワイードが一つの大きな役割を担っていることが、朝暘第五小の取材を通して感じることができました。
ワイードについて
| 製品詳細 | 名称:ウルトラワイド超短焦点プロジェクター「ワイード」 ・機能と特徴ページ ・地域別の導入実績ページ |
| カタログ・資料 | 全国の小中学校・高等学校を中心に10,000台導入。黒板いっぱいに映せるウルトラワイドなプロジェクター「ワイード」のカタログやお役立ち資料はこちら カタログ・資料ダウンロード |
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